北の社寺めぐり

北海道各地に残り独自の建築技法や歴史を持った
宮大工おすすめの社寺建築を巡り、ご紹介します。

帯広市 永祥寺 対談 第3部 

第3部 動くことで見えたもの

 

 

 

菅原

そういえば、僕が織田さんを知ったのも、

ここ(本堂)に坐られている織田さんの後ろ姿の写真を見たのが最初でしたね。

 

織田

新聞広告のですね。

 

菅原

あ、帯広にもいたっ!て思いましたね。

 

織田

それから菅原さんから一度話を聞いてみたい、というお手紙を頂いて。

その後、菅原さんが坐禅会に参加してくれたこともあり、いろいろお話をしました。

それが出会いでしたよね。

 

 

菅原

僧侶カフェ(※注釈3)を始めたのは2016年でした。

今はコロナで開催を見合わせてはいますが。

あれはあれでいい形だったなって思っていて。

(※注釈3)一般の人に仏教、寺院、僧侶を身近に感じてもらうべく

織田さんと菅原の二人が主催したイベント。

帯広市内の飲食店を貸し切り、一般参加者に宗派を超えた僧侶が混じってお茶会を行った。

2016年から3年間で16回開催。コロナの影響を受け現在は休止中。

 

織田

はい、とても良かったと思います。

あの時に参加者の方が書いてくれたアンケートには、

悩みを聞いてくださって救われた思いがした、というものがいくつもありましたから。

あれは良かった。途切れてしまって残念です。

ただ、参加する僧侶の力量が本当に問われるんですよね。

聞く力も必要だし、相手の話を否定しないのも大変ですし、

あと(曹洞宗の)教義の教えの部分の難しい話に及んだりもするので。

答えられないと恥ずかしいですしね。なかなかです。

なぜ修行をするのか、瞑想と坐禅は何が違うのか、だったり。

あたり前にやっていることをなぜやらなきゃいけないのかと聞かれると、

ちょっと考え込んでしまったりしますけど。

 

菅原

でも参加してくれた方々は本当にいい人ばかりなんですよね。

問答して相手を困らせてやろう、みたいな感じの方は全然いなくて。

雰囲気がいい感じでしたよね。

 

織田

そうですね。批判的な方はいらっしゃらないですよね。

 

 

菅原

今はお寺に人がふらっと訪ねて来ることって、あまりないんでしょうか?

 

織田

そうですね。何もなければ、ほとんどない状態ですね。

話を聞いてください、って来る方はいなくなってしまいました。残念ながら。

今来られているのは、お檀家さんで法事に来るか、お参りに来るか。

あとは坐禅会ぐらいでしょうか。

坐禅会は呼び方を変えて2つの形式でやっていますので。

毎日やっている方を朝活禅、こちらは2〜5名の方が毎朝来てくれています。

それとは別に、月2回の坐禅会。こちらの方は毎回20名前後来てくれていますね。

後者の坐禅会の方に私の講話があるんです。

 

菅原

講話ってあまり聞く機会がないんですが、面白いですよね。織田さんのお話。

いろいろ紙もくれたり。

あれを考えるのも大変ですよね。

常に次は何だろう、次は何だろうって考えないといけないし。

同じ話もできないだろうし。

 

織田

実は来週の分をまだ考えていないのですが(笑)。

そうですね、お釈迦様の残された言葉の中から日常に活かせそうな生活のヒントになるような言葉を毎回探してきて、

A4の紙に印刷してみなさんにお渡ししています。

みなさんで読んで、私が感想をお話しする、といった内容なんです。

例えば、お釈迦様は実は戦争反対派で、こういう反戦活動をしました、とかですね。

お釈迦様の教えは完全に男女平等で身分差別を撤廃した教えだった。

それらのことが素晴らしかったけれど、

災いもして結局インドにおいては、仏教は廃れていった、とかですね。

最近はそういったお話をしています。

(第4部に続きます)

詳細

所在地 帯広市
名称 永祥寺 対談 第3部 
創建