受注制作

わたしたち宮大工が日々向き合っている、木という奥深い素材。長い年月を森で過ごした木は、一本一本が独自の歴史をもち、ひとつとして同じものはありません。
しかし現在、木は規格の寸法に切り揃えられ、同じ大きさ、同じ長さの木材「原料」として流通しています。そのため、原料となる木は扱いやすく、節がない、まっすぐな木が重宝されます。それゆえに敬遠されがちな要素が、曲がりや節、細さ。これらは同時に、それぞれの木が持つ個性でもあります。
おかげさまでは、そこに価値を見出すことこそが「技」であると考え、木の個性を生かした唯一無二の製品を手掛けております。

木の生きた記憶を呼び覚ます床

応樹織床

私たちの作る床材や壁材は、一本の木に出会う事からはじまります。 森に入り、一本の木を選んで伐り出し、その木の全てを余す事なく使います。

禅や精進料理の世界では、全てを使い切ること、あるいは素材に応じて自らの考え方を変化させることを「応量器」「応機接物」の言葉にあるように「応」の字を持って表します。

その志を受け継いでつくりあげる木の床を「応樹織床(おうじゅしょくじょう)」と名付けました。
通常、材とする事が不可能と考えられている幅10cm程度の細い部分や、曲がっていて使いようがないという丸太にも全て、職人の技と心をもって、命を吹き込みます。

「木」という素材をありのままの形で受け入れ、人が織り上げる。
意匠なき自然の意匠を伝える床です。

[ 床材について ]

  • 製品は自然の木の形を生かしているため、全て一点物で、世界に一つだけの床です。
  • 床材を敷く面積などご要望に応じて計画・提案し、プランボードを作成いたします。
    お届け後の取り付けは、お住まいの地域の大工さんに依頼いたします。プランボードを確認しながら、さながらジグソーパズルのように、特別な道具を使う事なく取り付けることが可能です。
  • 床面の表面は、木目の良さを引き立てるため、植物油でできた自然塗料で仕上げます。
  • 使用する木材は、持続的な森林経営が確立されている森から調達しています。

[ お問い合わせ・見本の送付 ]

ご希望の寸法とご住所を明記の上、以下のフォームよりお問い合わせ下さい。お見積もりとともに送料、納期をお伝えいたします。
また、おかげさまで加工を施す材料はナラ材が主ですが、他の材をご希望の場合はお気軽にお問合せください。 床材見本の送付も承ります。

時間を刻む木の風貌

木割りでつくる扉

日本では約500年前まで、木材をつくる方法は丸太の木口から楔(くさび)を打ち込む「木割製材」が主流でした。現在は製材機が普及し、簡単に平面の木材を作ることが常識となり、「木割製材」の技法は忘れ去られています。
一本一本の木と対峙しながら人の手と道具でなされる木割製材。これによって表れる木材の面には捻れや凹凸があり、木の繊維が幾重にも重なり合う複雑な表情があります。それはまるで、木が内包してきた「土の時間」「森の記憶」を呼び覚ましているかのようです。
おかげさまでは、大工の技として連綿と受け継がれてきた木割の技法を用いて、そこに立ち現れる複雑平面を生かした木の扉を製作しています。

[ 扉について ]

  • 扉の表面は木割りの表情を残すため、日本の建築に古くから使われてきた独特の大工道具「ちょうな」を用いて仕上げています。
  • 引き戸、開戸、スリットガラス入等、様々なご要望にお応えできます。
  • ご希望の寸法をお知らせください。

[ お問い合わせ・見本の送付 ]

ご希望の寸法とご住所を明記の上、以下のフォームよりお問い合わせ下さい。お見積もりとともに送料、納期をお伝えいたします。
また、おかげさまで加工を施す材料はナラ材が主ですが、他の材をご希望の場合はお気軽にお問合せください。 床材見本の送付も承ります。