清水町にある淨蓮寺本堂の修復工事を行いました。
御住職は５、６年前から屋根の傷みが気になっていたそうです。コロナウイルスの蔓延、その後のウッドショック等で二の足を踏んでいましたが、手遅れになる前にどうにかしておきたいとのことからご依頼を受け、屋根全体の修復工事を行うことになりました。

着工前に本堂の外部と内部の調査を行い、現状を確認します。
調査の結果、雪の重みや経年の劣化等の影響で屋根の四隅の高さが最大で20センチメートル程違いがあることが判明。
屋根内部の構造体も高さの他、材料のねじれ等の大きな変形がみられました。

その後行われた檀家さんへの説明会では調査を元に工事プランを提案させていただきました。
大きく立派な屋根はお寺の象徴となりますが、その維持管理には多くの費用が必要になります。
「次の世代のために、しっかりとお寺を受け渡す」
その思いを一番に考え、現状の入母屋造りの屋根を寄棟造りの屋根にそっくり形を変えてしまうというご提案をしました。

改修前の入母屋造りの屋根

改修後の寄棟造りの屋根

今回の工事で屋根の面積と装飾を減らすことで、今後訪れる大規模な修理の際に大幅な費用削減となります。
屋根の形状を大きく変えることは、昔の屋根の形に慣れ親しんだ方々にとっては難しい判断であったと思われますが、
ご理解の上、勇気を持ってその決断をしてくださった御住職、役員、檀家の皆様には心より感謝いたします。

工事期間中、檀家さんや帯広高等技術専門学院建築技術科の学生さんらを招いて見学会も行いました。